フィルターリングのねじ山には、多くの埃が詰まっています。綿棒やクリーニングペーパーに少しベンジンを注して、掃除をしてください。真っ黒になるはずです。回しにくいカニ目リングも、この清掃で動きやすくなることが多いものです。
	鏡胴のフィルターリングが変形していて、カニ目リングが外れないことがあります。この場合は変形を修正することになります。注意しなければならないことは、フィルターリングの内側にねじ山があることです。ペンチなどで直接リングに力を加えると、変形は直っても、ねじ山がつぶれてしまいます。 　そこで、写真のように、不要になったフィルタからガラスを取り外したリング(赤矢印)を使用します。これを鏡胴にはめ込み、その上からソフトプライヤーで挟み込み、修正していきます。カメラと同じ口径のフィルタか、それより小さい口径のフィルタを当てて作業を進めます。
	さらに変形が激しい場合は、前述のフィルタ枠の上から、木槌などで叩く方法をとります。その際、台座はしっかりしたものを用意してください。私は金床の表面に厚めのゴムシートを貼り付けたものを利用しています。フィルタ枠を直接叩くのではなく、棒状の鉄か木製の当て物を当ててください。 　なお、この作業には慣れが必要です。変形具合を見ながら、少しずつどこを叩けばいいのか考えながら行ってください。
	フィルターリング凹部修理用具という道具によって、枠のゆがみを修正する方法もあります。ねじを回すことで枠に圧力をかけ、変形を元に戻すものです。手作り工具をオークションに出品なさっている方から購入したものです。

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