前蓋開閉式カメラ RICOH FF-1　編

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	このMINOXのような、KIEVのような前蓋開閉式の小さなカメラ。正体はRICHO FF-1です。外観はきれいですが、レリーズボタンを押しても「カシャ」と音がするだけで、シャッター羽根が開きません。ということは、シャッター羽根の固着？それともレリーズシャフトからシャッターへの連結部のトラブルではないでしょうか。
	さて、どこから手をつけましょうか。珍しいカメラですので軍艦部を開けてみましょう。巻き戻しクランクを外し、続いて側面と裏面の小さなネジを外します。しかし軍艦部は持ち上がりません。たぶん隠しネジでしょうか。案の定、表面の外皮をちょっとめくるとここにネジがありました。軍艦部内部には異常はありません。
	次はシャッター羽根固着をチェックします。後群レンズが無ければ、フィルム室の方から羽根の状態を確認できるのですが、このカメラにはちゃんと後群レンズが付いています。沈胴式のためこれがうまく外れません。 　そこで前部鏡胴の分解です。レンズ名のプレートはカニ目のないはめ込み式。後は順番に部品を外していきます。小さい割に部品は多いです。
	絞り兼用シャッター羽根にたどり着きましたが、固着はありませんでしたので組み立て直します。もちろん後でピント調整が必要になります。バルブがないカメラですが、受光部を黒布で覆うとバルブ状態になるので助かりました。（ピント調整の方法 参照）
	原因は別の所にあるようです。たぶんレリーズシャフトとシャッターとの連結部。しかし、困りました。露出計やファインダーユニットと鏡胴ユニット部が複雑に絡み合い、これ以上分解できません。諦めかけましたが、沈胴部の遮光布をピンセットでちょっとめくると、そこに連結部がありました。この金属カムが固着していました。ベンジンを少し注し、何度か動かしたら、正常にシャッターは切れるようになりました。レストア大成功です。