蛇腹ピント調整
WELMY 6 編

 珍しく蛇腹カメラのレストアです。この蛇腹に小さな穴が開いていることがよくあります。真っ暗な部屋で蛇腹の中に懐中電灯を入れてみると、やはりありました光漏れです。皮用接着剤でシャッター幕のような黒い布(黒色の製本テープも可)を貼り付けて修復です。
 シャッターがどうも不安定です。そのうち、切れなくなってしまいました。内部を見てみるとスプリングが2本破損していましたので、一度はレストアを諦めかけました。
 しかし、数日後気を取り直して再チャレンジ。といっても、元々スプリングがどのような形状になっていたのかは不明です。そこで各部の動作を観察、推測しながら、ストックのスプリングを変形して組み込みました。動作を見ながら何度も調整した結果、何とか正常な動作をしてくれるようになりました。
 レンズを取り外したのでピント調整をしなくてはなりません。そこで半透明な薄い板を用意します。ここでは透明プラスチック板にメンディングテープを貼り付けたものを使用しました。
 このスクリーンをフィルム面に貼り付けます。三脚にカメラを取り付け、バルブシャッターにして開きます。するとスクリーンに像が写ります。無限遠の建物などを見ながらヘリコイドを回してピントの合う位置を見つけます。そこを無限遠位置としてピントリングを固定します。次に、他の距離でもピントリングの指標とピントが一致するか確認します。その際、スクリーンをルーペで覗くとより正確にピントを合わせることができます。

ピント調整はこちらもご参照ください。

 軍艦部はシンプルにできていました。汚れていたファインダーレンズと鏡をクリーニング液できれいにして完了です。
 最後に化粧直し、レンズカバーの部分の外皮が無くなり、金属がむき出しになっていました。黒皮をカバー側面と前面に皮用接着剤で貼り付けレストア完了です。