ペトリプレスト
PETRI PREST　編
　
　ペトリプレストという、マイナーなカメラのレストアです。距離計の二重像がまったく動いていません。レンズのフォーカシングリングを回しても、どうもレンズが前後していないようです。ということで、鏡胴を分解してみます。鏡胴にカニ目が見当たりませんので、ゴム栓で回してみます。外れた状態の写真です。赤矢印のシャフトが距離計に連動しています。レンズが前後しない原因は、黄色矢印の金具がレンズに噛みあっていなかったためでした。

　前群レンズを外し、シャッターと絞り羽根をベンジンで洗浄しました。

　これで距離計が動き出しました。ファインダー底部中央のねじが、距離計水平方向調整ねじです。ファインダーは例によって、グリーンオマチック。
　続いて露出計不動の原因を探ります。この露出計、のこぎり刃の付いている黒い円筒が、レリーズボタンと共に降下する仕組みです。ペトリらしい機構です。露出計にテスターで電圧をかけたところ、指針が触れました。露出計は生きているようです。後は、断線か接触不良、セレンの劣化でしょうか。
　セレンに光を当てても電圧が出ていません。残念ながら劣化しているようです。手持ちのセレンがありましたので、移植しました。

　ところで、このカメラ、トップカバーに付いているセレンと、露出計が直接リード線でつながっていません。トップカバーをかぶせると、写真の接点が、接触する仕組みです。何度やっても、トップカバーを被せると、動いていた露出計が動かなくなります。
　よく接点を見ると、黄色矢印の３つの接点が、接近しすぎています。ちょっとずれただけでショートしてしまいます。どいうしてこのように接近させた構造なのか疑問です。接触しないように絶縁体を挟むなどして対応しました。以上で完了です。
ペトリのカメラは、機種によって、いろいろな工夫（奇想天外？）がされていて、興味が尽きません。