レリーズボタンが押し込めない不具合ですので、 軍艦部を開けてみます。巻き上げノブの芋ねじ を外します。ファインダー部は外しておきます。

次に巻き戻しノブを外します。カニ目は順ねじ です。この写真が距離調整リングです。未知の 構造ですので慎重に進めなくてはなりません。 リング側面のねじを３本外します。工作精度は 高く、ピッタリと部品が組み合っています。

リングの内部はこうなっていました。 さらに、側面のねじを外します。

やっと軍艦部が開きました。外したカバーの裏 面にもギアがありますので、注意してください。 写真左が蛇腹に繋がる距離調整ギアです。右側 のギアが巻上機構です。ここが問題のようです。

赤矢印がレリーズですがまったく動きません。 ギアの動きも埃で不安定です。古いグリスをベ ンジンで洗浄し、ギアとカムの動きを真剣に観 察しました。巻き上げると奥にある青矢印カム が上方にスライドし、ギアを止める役割をして います。写真下方のスプロケットに連動する扇 形部品が怪しいと感じました。この部品はスプ ロケットが回転しないと正常動作しない仕組み です。しかし、手でスプロケットを回してもう まく動作しません。フィルムを入れて始めてそ の機構が理解できました。フィルムのパーフォ レーションによってスプロケットが絶妙のタイ ミングで止まりレリーズを押せる状態を保って いるのです。見事な動作に感動しつつ、これで 正常に動作するようになり、ほっとしました。

最後に、ファインダークリーニングと距離計の 調整です。しっかりとした金属でできた立派な 距離計です。赤矢印の奥にあるねじが水平調整 です。垂直調整は、青矢印の偏角レンズを回転 させる方式です。接着剤で固定されていますの で、ドライバーの先端で剥がす必要があります。